現代の子どもは、年のちがう子とかかわる場が少なくなりました。幼稚園や保育園などで同年齢の友だちはできても、異年齢の友だちはできにくい環境になってきています。その意味では、学校のクラブ活動や学童保育、地域の活動などへの参加を通して、意識して年のちがう子どもと接する機会を求めていく時代になっているのかもしれません。
ぼくの子ども時代を振り返ると、年上の子も年下の子もいっしょになって、そとで遊んでいる風景が浮かびます。逆に、自分の家でひとり、おとなしくしていたという記憶はほとんどありません。今の子どもは、家でひとりでゲームをしていたというのが、子ども時代の思い出になってるのでしょうか。
一人っ子も増え、兄弟がすくなくなっていることも考えると、なおさら同年齢だけでかたまらず、年上、年下のこどもたちともふれあって、遊んでほしいと思います。
とはいっても、年上の子どもとの遊びでは、ママが心配になるような場合あるでしょう。
「最近、うちの子、年上のしんちゃたちとよく遊んでいるみたい。でも鬼ごっこをすれば、いつもうちの子が鬼にさせられているみたいだし、イジメられているんじゃないかしら?」
しかし、こういうときでも本人はいたって楽しいものです。
子どもにとって、1、2歳の違いは大きく、年上のおにいちゃん、おねえちゃんは、あこがれの存在です。その仲間に入れてもらえるということは、同年齢同士で遊ぶより、ちょっぴり誇らしいものなのです。そして、いろいろまねをしてみたいことがあるのです。
「おまえ、鬼やれよ」といいつけられても、同年齢の子ども同士のようにライバル意識をもつことは少ないので、ケンカなどトラブルになることもめったにないはずです。いいつけられたり、怒られたりしながら、年上の仲間と遊ぶときのコミュニケーション方法を自然に身につけていくでしょう。
年下の子どものコミュニケーションも大切です。まずは、兄弟や親類の子、近所の子を対象に、赤ちゃんのオムツをかえるとか、年下の子の世話などをたのんでみましょう。
「かずくんとトイレにつれて行って」というと、「わかった」と手をつなぎトイレへ。
「ここにオシッコするんだよ。」と自分がママに教わってように教えてあげます。
「ここをめがけて、チーってすればいいからね」
こういうことができるようになると、自分も少し大きくなってような気がして、うれしくなります。
仕事をもっているママが増えた現代、家庭では子どもたちにも、できる範囲でお手伝いをさせたほうがいいと思います。幼いきょうだいがいるなら、その世話を手伝ってもらうというのは、ママやパパにとっても、子どもたちにとっても、コミュニケーションが深まるはずです。少なくとも、自分をたよってくれる年少者の存在は、「自分も、役に立っているんだ」という充実感をもたらすでしょう。
汐見先生の素敵な子育て「子どものコミュニケーション力の基本は共感です」
認定こども園せいれんじ