今日のVTR
ご覧くださいね。
― ポイントは共感性を導くこと ―
幼い子どもはコミュニケーションがうまくとれないと、友だちをたたいたり、あるときにはかみついたりします。自分のテリトリーが侵されそうになるときも、同じような攻撃性を示すことがあります。
「暴力はダメっていってるでしょ」
「乱暴しちゃいけません」
「たたくなんて、バカなまねはよして!」
こう叱ったとしましょう。ところが子どもは、しばらくするとまた繰り返します。なぜでしょう。
理由はとても簡単です。
攻撃性だけをおさえつけようとしてもムリがあるからです。共感性を発揮するようにみちびかなければならないのに、そこが配慮されていないのです。共感性を発揮させるというと、ふつうはこう発想するのではないでしょうか。
たたかれる → 痛い → 泣くかもしれない。
このような共感の能力を発揮できるようになってほしい。そして、自分もイヤなことは、相手にとってもイヤだ。だから、そんなことはやめて、相手と仲良くしよう、と。
しかし、一気にここまで持ってくるのは実際はむずかしい。
なぜなら「たたきたくなった」その子の気持ちがうやむやになるからです。「たたきたくなった」のには、それなりの理由があるからです。この紀道が宙ぶらりんの状態になってしまうのです。このときお母さんは、まず「たたきたくなった」その気持ちに、共感してあげなければいけません。
次のように諭してはどうでしょうか。
「あらあらか噛んじゃって困ったわね。本当は噛みたくなかったんだよね。でも、おもちゃを取られると思ったから、噛んじゃったんだよね。わかるわかる。今度から噛まないですむようにしようね」
まずこうして、子どもの気持ちに大人が共感するようにします。こうして、共感してもらうことのうれしさ、ありがたさを実感させるのです。
そのうえで、「あなたの力はお兄ちゃんになっていて、とても強くなっているのよ。軽くたたいたつもりでもとても痛いのよ」
「◯◯ちゃんが泣いているわ。痛そうだし、とても、かわいそう」
など、噛んだり、たたいたりすると相手は痛いんだ、という共感の気持ちを引き出すことが大切です。
共感する言葉、フレーズが抜けると、結局責められていると感じておなじことを繰り返します。
子どもにとってはまず大人が共感してくれることが大事なのです。それが子どもの、その後の共感的な行動のモデルとなるのです。
◯ 「◯◯ちゃんがかわいそうよ」
「あなたの力はお兄ちゃんのようにとても強くなっているのよ。たたかれるととても遺体の」
「おもちゃを取られてしまうと思って、やっちゃったんだよね」
✕ 「暴力はダメっていったでしょ」
「乱暴しちゃいけません」
汐見稔幸 この「言葉がけ」が子どもを伸ばす!
認定こども園せいれんじ