人と喜びや悲しみをわかちあうこと、つまり、共感する力というのは、だれでも生まれつきもっているのではないと思います。生まれつきの赤ちゃんは、もちろん言葉を話せません。お母さんの言葉も、まだ理解できません。ですから、おなかがすいた時、赤ちゃんは泣くことで、コミュニケーションをしようとします。鳴き声を聞きつけたママはおっぱいをあげると、赤ちゃんは次第ににっこり笑うようになっていきます。うれしさを笑うことで表現するわけです。
同時に、この初期の笑顔は、親の喜びを引き出そうとする本能だとも言われています。コミュニケーションの世界に、親をひきこんでやろうという本能的な力が、人には生まれつき見についているというわけです。
ママは赤ちゃんの笑顔に、自然と笑みがこぼれ、家族中で喜びあえば、笑顔が伝染し、笑い声に輪ができます。
人はともに苦しむ力も持っています。
夫婦間で、妊娠中の妻がつわりで苦しんでいたら、夫も体調を崩してしまったという話を聞いたことがあります。大切に思っている相手に生理的なレベルで共鳴してしまうと、自分もおなじような心身状態になってしまうのでしょう。
こうした能力が共感力の基礎です。せっかく持って生まれた力なら、この共感する力を大切に育てていきたいものです。人とわかちあえば、喜びは2倍に、悲しみは半分になるのです。コミュニケーションの基本がここにあります。
認定こども園せいれんじ