幼保連携型 認定こども園 せいれんじ

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ボディコミュニケーションをみがきたい

 日本では、赤ちゃんはオムツをしていて当たり前です。しかし、世界を見渡すと、オムツをつけていない赤ちゃんの方が多いのです。
 アフリカのウガンダという国の赤ちゃんはオムツをほとんどしていないのに、おもらしがないのはなぜかと疑問をもった欧米の学者が調査を行いました。ウガンダのママたちは、赤ちゃんがオシッコをしそうなのがわかり、サインを感じとるとすぐに対応する、だからおもらしをすることがないそうです。学者が「どういうサインでわかるのですか」とたずねると、「なぜ、あなた方はわからないのですか?」と問い返されたといいます。
 たぶん、人はもともと、ちょっとした仕草から、ビビッと感じられる能力をいろいろ持っていたのだろうと思います。たとえば、赤ちゃんのころは持っているのに、成長すると、すぐに消えていってしまう高度な能力があります。嗅覚もそのひとつ。生まれたばかりの赤ちゃんは、オトナの40倍ぐらいの嗅覚をもっているといいます。だから、生まれてすぐなのに、ママのおっぱいがわかるのです。このような動物的ともいえる能力の多くは少しずつ減っていくのですが、それを大切にしてみがいていくと、ことばにたよらない、もっとちがうコミュニケーションの世界が広がるような気がします。

 からだ全体を使ったコミュニケーションを、ボディコミュニケーションといいます。コミュニケーション全体のなかで、こどばはせいぜい30~40%ぐらいしか役割をはたしていなくて、姿勢や表情など、からだ全体から発しているメッセージがしめる割合のほうが多いといわれています。先ほどの、ウガンダのママたちも、からだのメッセージで、子どものオシッコタイムがわかるのでしょう。
 ことばによるコミュニケーションもたしかに大切ですが、その根っこには、からだ全体でしているボディコミュニケーションというのがある。じつは、わたしたちはその練習を赤ちゃんのときからおこなっているのです。
 まだ言葉を発せない赤ちゃんは、手をあげたり、笑ったりして、サインを送ります。それに対して、ママやパパは「だっこって言ってるのかな」「さみしいってことかしら」と、送ってくるサインを読み取ろうとします。赤ちゃんは、本能として持っている能力で、親のボディコミュニケーションを引き出そうとするし、それを感じとってあげると、コミュニケーションって、こういうことなんだ、と赤ちゃんも学習していくのです。
 成長を重ねていっても、こどもはからだの動きや表情などでいろいろなサインを送ってきます。オトナだって、赤ちゃんのときのように「だっこ」とはいわなくても、「だきしめてほしい」というサインをおくることがあるでしょう。成長につれ、対応の仕方は変わっていくでしょうが、ママやパパも、ボディコミュニケーションをぜひ楽しんでほしいと思います。子どもといっしょにからだを使って遊んだり、お風呂に入って背中の流しっこをしたり、ボディコミュニケーション能力にも、みがきをかけていってください。

参考文献
汐見先生の素敵な子育て「子どものコミュニケーション力の基本は共感です」

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